【144000人の奥義】(11)《終わりの時とは?》「ダニエル書12章の解説 ②」

では、今回は、ダニエル書12章の解説の2回目として、

ここで、言う「終わりの時」とは、何の事を言っているのか?

この点に注目して考えて行きましょう。

 

聖書の中では、度々、

「終わりの時」

「終わりの日」

「末の時」

「末の日」

など、

様々な表現で預言的に

記されていますが、

これらは全て、同じ期間、或いは、時、日の事を言っているのか?

と言う事ですが、

 

それは、それを筆記した人物や文脈、又、その預言のテーマなどから読み取らないといけない、と言う事です。

一概に全て同じとはいえない、ということです。

 

 

その事をまずはおさえて下さればと思います。

 

では、ダニエル書12章でいう

「終わりの時」とは何の事なのでしょうか?

 

まず、新改訳2017年版の、

12章3、4節に注目すると、

 

「賢明な者たちは大空の輝きのように輝き、

多くの者を義に導いた者は、

世々限りなく、星のようになる。

ダニエルよ。

あなたは《終わりの時》まで、

このことばを秘めておき、

この書を封じておけ。《多くの者》は《知識を増そうと捜し回る》。」

 

と書かれてあります。

 

更に、

9節を見ると、

 

「彼は言った。『ダニエルよ、

行け。

このことばは《終わりの時》まで秘められ、

封じられているからだ。

《多くの者》は

《身を清めて白くし》、

そうして《練られる》。

悪しき者どもは悪を行い、

悪しき者どものだれも理解することがない。

しかし、《賢明な者たち》は

《理解する》。』」

 

と書かれてあります。

 

これは前回も述べたことですが

ダニエル書の全ての預言が封じられていたわけではありません。

 

ただ、特に、

11、12章に関しては、ある意味、

奥義でした。

 

 

さて、話を戻し、「終わりの時」について考えましょう。

 

6節のダニエルが述べた言葉です。

 

何が終わる時なのか?

と言う事です。

 

ダニエル書12章を注意深く考察してゆくと、理解出来ます。

 

まず、6節を見ると 

 

『この不思議なことは、いつになると《終わる》のですか。』

と書かれてあります。

 

ここで、

「不思議、異常、驚くべきこと」

と訳されているヘブル語は、

「思いがけない事、正常ではない、不自然、異様、なぜ、そうなるのかが、よく分からない、常識や理性では説明がつかない事、など」の

意味があります。

 

更に、亜麻布を着た者は、

このように述べています。

 

(新改訳2017)には、

『それは、

《一時と二時と半時》である。

《聖なる民の力を打ち砕く》ことが《終わるとき》、

これらすべてのことが《成就》する。』

 

となっています。

 

ただ、この部分に関しては、

口語訳の方が、意味をつかみやすいかも知れません。

 

「《ひと時とふた時と半時》である。

《聖なる民を打ち砕く力》が

《消え去る時》に、

これらの事はみな《成就》するだろうと言うのを、わたしは聞いた。」

 

となっています。

 

まずここで、

「一時と二時と半時」と言うのは、

ヨハネの黙示録で言う、

 

「千二百六十日」

「四十二ヶ月」

と同じ期間の事です。

 

そして、

「ひと時とふた時と半時である」

 

この部分と、

 

「聖なる民を打ち砕く力が消え去る時に、

これらの事はみな成就するだろう、、、」

 

の間には、ある言葉が抜けています。

更に、口語訳に、原語で解釈した訳を付け足してまとめると、こうなります。

 

「、、、それは、ひと時とふた時、そして半時

《が》

《過ぎるだろう》。

《さらに》、

聖なる民を打ち砕く力が消え去る《とすぐ》

に、これらの事は

《終わるだろう》。」

 

となります。

お分かり頂けたでしょうか?

 

 

まず、ここで、「成就する」

と訳されている語の意味を考える必要があります。

 

新改訳2017

口語訳

新共同訳

全ての訳で、「成就」と訳されていますが、

 

ほとんどの海外の訳は、日本語に直訳すると、

「終わる」

「終了する」

「終わりに至る」 

などと訳されています。

 

どちらの訳し方が正しいのでしょうか?

 

少し12章の1、2節から考えてみましょう。

(口語訳)

 

「その時あなたの民を守っている大いなる君ミカエルが立ちあがります。また国が始まってから、

その時にいたるまで、

かつてなかったほどの《悩みの時》があるでしょう。

しかし、その時あなたの民は救われます。

すなわちあの書に名をしるされた者は皆救われます。

また

《地のちりの中に眠っている者》のうち、

《多くの者は目をさます》でしょう。

そのうち

《永遠の生命にいたる者》もあり、

また

《恥と、限りなき恥辱をうける者》もあるでしょう。」

(口語訳)

 

と書かれてあります。

 

もし、12章7節の最後の部分が、

「成就」と訳すなら、

「聖なる民を打ち砕く力が消え去る時に」 

「これらの事はみな成就」する、

ということになるでしょう。

 

ダニエル書12章1、2節は、

 

まず、

大きな苦難が始まり、

ハルマゲドン

千年間の統治期間

多くの者たちが復活する

最後の試み

ある者たちは試みを通過し、

ある者たちは滅ぼされます。

そして永遠の命を享受します。

ここまでのシナリオが、過ぎ去るまで、

聖なる民

つまり、

144000人が、象徴的な意味で、

打ち砕かれる事になります。

 

この解釈ではかなり無理があるでしょう。

なぜなら、

144000人は大きな苦難の前には、

既に、象徴的な意味で

「打ち砕かれる」事からは、開放されているからです。

 

もっと厳密に言うなら、

144000人のある者たちは、

ここで言う

「打ち砕く」事が及ばない状態にあります。

 

 

 

では、次回から、この12章の奥義を別の角度から分析し、

この章でいう「終わりの時」とは?何のことを言っているのか、

更に、今の我々にどのような重要なメッセージを示しているのか、

深く踏み込んで参りましょう。

 

 

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